土曜の参鶏湯(2)(31日)
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土曜の参鶏湯(2) 2005年7月31日14時5分27秒
グツグツと煮え立った土鍋が目の前に置かれた。
真ん中に韓国から仕入れたという参鶏湯専用の雛鳥がうずくまっている。 「ん?」見るとスープが茶色だ。
高麗人参、黄茸、鹿茸、ナツメなどの漢方薬を十時間かけて煮込むのでこうした色になるのだという。そういえばこの店の名前は「高麗漢方参鶏湯」であった。名前からしてすでに他とは違うと謳っているのだ。 ではそういった漢方薬のうち、どれがこのスープの色を出しているのだろう?
「それは秘密です」とご主人。
教わった通り、まずは鶏の背中あたりにスプーンを突き刺し全体を崩していく。土鍋の中の丸鶏はまったく抵抗なく食べやすい大きさに解体されてしまった。
ローストチキンなどをさばいたことがある人なら分かると思うが、鶏の背中には「やげん」と呼ばれる大きな尖った骨がある。どうしたことか、この参鶏湯にはその骨がないのだ。そればかりか、肋骨や手羽先の骨っぽい部分、食べにくい筋も原型をとどめていない。
もっとも驚くのは最小限の小骨しか残らないことだ。妙な軟骨が口に残ることもない。圧力釜を使ったと説明されたが、普通はここまで柔らかくすると肉まで崩れてしまうはずだ。「いったい何故?」心の中でうなりながらひたすらスプーンを動かす。
スープはモチ米が溶けだして薄く葛をひいたよう。栗の甘い香りが食欲をそそる。 高麗人参を入れながらも独特の癖を感じさせないために工夫を要した、とご主人。街を歩いている時、たまたま耳にした会話から、日本人にはあの香りが苦手な人が多いと知ったのだそうな。
ふだんなら食べられない皮もまったく気にならない。とろけるように柔らかい肉は、箸で取り出し調味塩をつけて食べても美味しい。気がついたら肉もスープもきれいに平らげてしまい、相当量のコラーゲンと漢方物質が体内に取り込まれたのをしみじみと実感。
「これでこの夏は乗り切れる!」 自信と活力がわきあがってくるのを感じながら大満足で店を後にした。
【追記】 ‘プロの仕事’を感じさせる店が大久保には少なすぎる。韓国伝統家庭料理だなんて聞こえはいいが、単なる‘お袋の味’をバカ高い値段で食べさせる店ばかり蔓延しているのだ。(テンジャンチゲなんか、ありゃあ味噌汁だぜ) そろそろニッポンの皆さんも、きっちりと職人技で勝負する店を見分けてほしいものだなぁと思う。

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