よぎちょぎ「マシッソヨ」

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手羽先と亭主

韓国では「鶏の手羽先は亭主に食べさせるな」という。
羽が生えてどこかに飛んでいってしまう…
つまり他の女のもとに去ってしまう(=浮気をする)
という理由からだ。

さて、日本に「土用の丑の日」があるように、韓国には「伏(ポク)の日」というのがある。

7月から8月にかけての一番暑い時期を、10日おきに「初伏」「中伏」「末伏」と呼んでスタミナがつくものを食べるのだ。

韓国のスタミナ食というと犬肉料理「補身湯(ポシンタン)」が有名だが、「ワンちゃんがかわいそう!」っと敬遠する人が多いせいか、近年の「伏(ポク)の日」は参鶏湯(サムゲタン)の方が大人気だ。

ヒナ鶏のお腹に、モチ米と高麗人参、ナツメ、クリなどを詰め、じっくり煮込むわけだが、主役の鶏は生後一ヶ月ほどのオスの雛鳥が最高なんだとか(合掌)。

高麗人参の成分が鶏肉になじみ、スープにはもち米が葛をひいたよう溶け出して、なんとも滋味豊かな薬膳料理だ。

ソウルの王宮近くにある「土俗村(トソクチョン)」は私も時々訪れる参鶏湯の名店だが、一人で食事をしたがらないはずの韓国人男性が一人黙々とスプーンを口に運ぶをしばしば見かける。

一羽丸ごと、の料理であるから当然ながら両方の手羽先もしっかり胃に納めているはずである。

ちなみに、スプーンで汁をすくいやすくするためか、こんなふうに容器の底を受け皿のふちにひっかけ、斜めにして食べる人をよく見かける。
私もさりげなく真似して‘通’ぶってみる。

サービスで出される高麗人参酒をぐっとあおり、熱々の参鶏湯をすすると体中に漢方エキスがみなぎるような気がするが、がっちりスタミナを補給したところで使いみちのない私は腹ごなしに清渓川の川べりをブラつきながら宿に帰るだけだ。

手羽先のジンクスにも最近は新説があって、「人妻が食べるとコラーゲン効果で美肌になり男性に注目されやすくなる(=浮気しやすい)」なんて言うらしい。

こちらは男性側の言い分らしいが、早い話、亭主も女房も好きな手羽先を独り占めしたいだけ、というのが本音かな。