travel 路地裏の楽しみ…庶民パワーあふれる市場


市民が気軽にショッピングを楽しんでいる。旅人にとっては普通の人々の生活を垣間みるチャンスだ。





■「故郷はどちら?」と聞かれて、「ソウルです」と答える時の韓国人はどことなく誇らしげだ。
総人口の4分の1がソウルに住んでいるのだから、日本人の「東京指向」とは比べようもない。 昔は「馬の子は○○へ、人の子はソウルへ」なんて言い方もしたのだ。

最近は日本人もこの街が大好きだ。ソウルオリンピック以後は、パッケージツアーの若い女の子のグループが、大きなトランクを引っ張ってどんどん出かけて行くようになった。帰りはそれに免税のブランド品をいっぱい詰め込んで帰って来るらしい。
現地ガイドの案内で言葉の心配もなく、美味しい焼き肉を食べ、エステできれいになって…そんな旅行は素敵だ。

そうやってソウルの雰囲気に慣れたら、いつかは身軽な支度でぶらりと出かけてほしいな、と思う。ソウルの面白さは自分の足で歩いてみなければわからない。李王朝時代の王宮と緑豊かな庭園が点在し、周囲にそびえる高層ビルとのコントラストが、いかにもソウルらしい。近代的なビジネス街と庶民パワーあふれる古い町並みも意外な形で共存している。

■車が激しく行き交う大通りから薄暗い路地に踏み込むと、そこに市場が開かれていてびっくりしたことがある。
「南大門市場」のような巨大マーケットとちがって、私のような観光客にあやしい日本語で迫る商人もいない、地元のおばちゃん達が近所の人相手に日用品を売る市場なのだ。
迷路のような路地の両側には、魚や肉、野菜、餅菓子、乾物、さまざまな種類の総菜やキムチが、プラスチックのたらいに盛られて並ぶ。イチゴも、大きなざるで無造作にキロ売りされている。

食べ物ばかりではない。婦人服や下着、雑貨、生きた猫まで売っているではないか。
もうもうと湯気をあげる店の前では丸椅子にかけて食事をしている人がいる。天麩羅そっくりのティギム(揚げ物)、キムパプ(のり巻き)、マンドゥ(餃子)もその場で作られ、見るからに旨そうだ。


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